こんにちは。今回のブログタイトルは「印鑑は、好きですか?」
一般の方は恐らく、今まで生きてきてまず聞かれたことはないであろう質問だと思います。
ただ、ボクがもしこの質問を誰かに投げかけられた場合は、「はい。大好きです。」と即答することでしょう。まぁ、こんな質問されたらちょっとひきますけど。
そうです。ボクはちょっとした印鑑マニアです。「印鑑マニア」という単語も聞き慣れないかと思われますが、ボクは印鑑が好きです。革製品が好きな方は数多くいらっしゃるかと思いますが、印鑑が好きな方はそれほど多くないんじゃないでしょうか。
ボクが印鑑を好むようになったのは、社会人になって1年ほど経過した時期です。ボクは職業の性質上、ほぼ毎日印鑑を使用します。一日平均で10押印は普通。多い日は30押印はします。「押印」という単位に違和感を覚えた方、気にしないように。
一日にこんだけ印鑑を押す機会があると、押印のたびいちいち印鑑ケースあるいは机の中から印鑑を取り出して、朱肉に印鑑を押し付けて書類に印影を落とす作業は、普通に考えるとめんどくさいでしょう。
合理的な判断をされる社会人であれば、こういう場合は朱肉不要かつ印鑑ケース不要の「シャチハタ」にするなど、無用な労力をカットする道具に切りかえることでしょう。事実、ボクの職場の職員もシャチハタの利用者が大半です。
ところがボクはシャチハタ派ではありません。印鑑ケースから印鑑を取り出し朱肉に押し付け、印影の上下向きを確認してから、書類に押印するめんどくせータイプです。
何故か。
何故ならボクは、印鑑が好きだからです。
シャチハタは大変便利です。素晴らしいビジネスアイテムだと思います。ですが、どうせ毎日、何回も手にする道具なのであれば、他人が持っているものとは一味違う、自分が好きな道具を使いたい。オリジナルなアイテムを使いたい。そういう思いから、ボクはシャチハタではない印鑑を使用しています。
ボールペンや手帳や財布など、身の回りの小物に対する考え方と同じですね。ただの自己満足です。
ボクは自分の好きな印鑑を使っているので、押印するのも苦になりません。印材の感触を確認しながら印鑑を手に取り、押印前に印影の上下確認のために印面を見て一呼吸、そして書類に押印して、紙に写った赤い印影を確認する。この一連の作業が好きです。
こういう話を職場ですると、「ふ・・フーン(苦笑)」という方が多いですね。いや、全然いいよ。普通の反応だよ。許す。
ただ中には、非常にレアケースですが、「わかる!わたしもこだわりがあって、綺麗なガラスタイプの印鑑を使ってるの。」となどと同調してくれる同志に出会うこともあり、そのときは大変嬉しくなります。それだけでその人の評価はガチ上がりです。握手したくなります。相手は引くでしょうが。
ボクが印鑑好きになった具体的なきっかけは、上司からの印鑑のプレゼントです。上司はたまに中国に旅行する人だったのですが、当時新採だったボクに、中国旅行のお土産として猫目石(クリソベリルキャッツアイとも言われる)でできた印鑑を買ってきてくれました。
猫目石は宝石の一種で、色合いや光の屈折度合いで希少性にかなり差はありますが、透明度があり素人目に見ても大変美しい材質です。上司がくれた印鑑はそれほど高価なものではなかったのですが、というか今思えば恐らくガラスファイバーがなんかの人工猫目石の可能性が高いですが、それでも日本国内で購入するとそこそこの値段はするものです。
宝石なので美しいのはもちろんですが、石なので木の印材に比べて適度な重量感があり、最初の頃は押印の度に「お、この重み、いいねぇ」などとニヤついてしまったものです。傍目からすると若干気持ち悪いですね。いいんです。自己満足とはそういうものなのだから。
ちなみに、その猫目石らしき印鑑は、ある日印鑑ケースから取り出す際に誤って落としてしまい、地面に衝突した際に粉々に砕け散ってしまいました。マジでショックでした。ボキッと二つに折れるとかではなく、かなり細かく砕け散ってしまい、使用不能となりました。
くそ!気に入ってたのに!ということで、猫目石と似た印材で、タイガーアイ製の印鑑を、今度は自分でネット通販で購入しました。タイガーアイも宝石の一種ですが、一般的に猫目石よりも安価です。

その際は印材だけでなく、印影の種類にもこだわりを持ち始めており、「印相体」という書体(吉相体とかも呼ばれ、縁起がいいとかいわれる書体。何書いてるか文字がわかりにくいやつね)で作ってもらいました。書体にはいくつか種類があり、職人によってデザインも様々ですが、「縁起がいいとかいうし、デザインがなんだかかっこいい」という理由で、印相体にしました。
そして、2週間以上も待ってやっと届いたタイガーアイの印鑑は、蜂蜜色でとても綺麗で、印影のデザインもかっこよくてすごく気に入ったのですが、使用数日後に再び誤って落として、それもまた砕け散ってしまいました。これ実話で、本気で凹みました。価格は9000円ぐらいしたので、金銭面でも相当キツかったのですが、何より気に入っていたので。
何が吉相体で縁起がいいねん。砕けるとか、むしろ縁起悪いわ!
と、ショックが怒りに変わり、その後半泣きになりながらいろいろと思案した結果、現在はチタン製で印影は篆書体(てんしょたい)の印鑑を仕事で気持ちよく使用しております。
チタンは大変堅牢です。落下しても折れるなどと言うことはまず有り得ません。それでいて元素記号Tiという自然由来の非合成金属である点も勝手に評価。石でできた印材は今でも好きですが、仕事で認印としてハードユーズする上では耐久性の点で劣るという現実を無理矢理実感させられたため、チタンに行き着きました。
書体は、決裁文書等に押印する印鑑という性質上から、名前が解りにくい印相体をやめ、デザイン性をキープしつつも漢字が認識できる篆書体にしました。なお、書体はショップが提案したものに注文を付け、ボクが好きなデザインにしてもらいました。

・・・ということで、印鑑に全く興味の無い方はそろそろ眠くなってきている、あるいは既にブラウザを閉じていることでしょうが、要するに、印鑑にこだわってみると、それはそれで楽しいよってことを言いたかったのですよ。はい。
今回は、宝石やチタンという金属の印材を紹介しましたが、印材にもホントにたくさん種類があります。柘(つげ)や楓、彩樺などの木の材質は最も一般的だと思いますが、水牛や象牙も印鑑の代表的な印材だし、ヒスイや水晶といった宝石の印材も昔からあります。樹脂を使った綺麗でオシャレな印鑑も、若者に好まれます。
瑪瑙(めのう)や琥珀(こはく)やマンモスなんて印材もあります。マンモスとかホントかよ!?とか当初は驚いたもんですが。個人的には琥珀製の印鑑は将来的に欲しいです。ぜってぇ手に入れる。(アイキャッチ画像は通販印鑑ショップのハンコヤドットコムさんで販売している琥珀製印鑑の画像です。)
さらに印影の書体も、楷書体、行書体、古印体、篆書体、小篆体、印相体など、種類は多岐にわたります。
印影のサイズも、認印サイズの9mmから実印の大きなサイズまで、様々です。
これだけで、かなりの組み合わせになりますよね。自分だけの印鑑を手に入れることができるのです。それはもう、愛着湧きますよ。使うのが楽しくなります。
セキュリティの観点からも、認印、銀行印、実印と、ボクが所有する印鑑は全て印材も印影も印影サイズも異なります。まぁ正直、セキュリティとかよりも、ボクの趣味からですが。
小物にこだわりをお持ちの方は、もしこの記事が参考になりましたら、印鑑にも目を向けて見てください。いやぁ、シャチハタに比べたら確かに押印プロセスは手間ですが、慣れたらいいもんですよ?




コメント
はじめまして、62GSと申します。私も押印数では負けません、また認印だけでも5本ありその内の4本は目無し象牙です、また象嵌職人民生の象牙印材やいまや日本でただ一人の象嵌師宝泉の特注印章も使用してます。自慢ですが会社の社長より立派な印章ですが当然周囲には変人扱いを受けます。私も最初は開運印鑑から入門しましたが開運印鑑は全てインチキの文字ですから最早ごみ箱行きにしました。やはり書体で美しいのは中輪細字の篆書体です、ちなみに彫刻は全て大印展の銅賞以上の職人に彫っていただいています。