今から3年3か月前、当ブログの「革製ボストンバッグを選ぶ」という記事で言及しましたとおり、仕事の関係で、ボクは年に数回宿泊を伴う国内出張をします。とは言え、だいたい1泊で、長いときでもせいぜい2泊です。
それで、出張用のオーバーナイトバッグ、中でもボストンバッグが欲しいという記事を過去に投稿したわけですが、購入しないまま3年が経過。泊付きの出張時には、普段通勤で使用している革製のトートバッグか、子供から黒のナイロン製スポーツバッグを借りてしのいでいました。
ただ、この1月上旬に東京出張がありまして、その際に改めて思ったんですね。やっぱり、ビジネス用のオーバーナイトバッグが欲しいな、と。やっぱり、要るだろ、と。
しかし、革製のオーバーナイトバッグ・ボストンバッグで、日本製のものとなると、以前紹介しましたとおり非常に高額です。ボクの希望を満たすレベルのものとなれば、7~8万円ほどします。
残念ながら今のボクは、「年に数回の出張のために高級バッグが必要か?」という敏腕検察官級の尋問に耐えられるロジックは持ち合わせていません。家族や知人に相談したならば、「あなたは貴族、あるいは公家の方ですか?」という血も涙もない残酷無比なレスポンスが返ってくるでしょう。
年に数回の出張で使う程度の頻度であれば、確かにそれほど高級なカバンは必要ありません。ただ、どうせお金を使うなら、自分が納得できるもの、所有し、使用する際に一定の満足感を得られるものにしたい。そこは譲れません。
そこで、ボクは、泊付き出張用のカバンに求める条件を再考いたしました。ボクは、以前のボクとは違います。この3年間で成長しています。冷静にものごとを考えられるようになったんです。
3年前のボクは、出張用のカバンで買うなら、「ボストンバッグ」タイプにしたいと思っていました。求める条件は、以下の6つでした。
- 日本製である
- 革製である
- 耐久性が高い
- 容量がある
- 使い勝手がよい
- 作りが丁寧である
①日本製と③高耐久性は必須条件です。「日本製」の条件を外すと選択肢が一気に増えて大変だから、というのもありますが、ボクのこだわりポイントなので。また、⑤使い勝手がよい、というのはちょっと抽象的だし、⑥作りが丁寧、というのは、①日本製とやや重複があります。
これらを考慮し、今回、ボクが再考した新たな条件は以下のとおりです。ボストンバッグに限らず、ブリーフケースを少し大きくしたようなタイプのオーバーナイトバッグも視野に入れ、より現実的かつ具体的なものといたしました。
- 日本製である
- ナイロン製である
- 耐久性が高い
- 最大2泊程度の容量
- 自立する
⑤の「自立する」は新たな条件です。ボストンバッグだと底面積が大きいのでまず問題ありませんが、スリムタイプの場合、自立しない場合があり、パタパタ倒れたら想像以上にムカつきます。
それよりも注目は、②の「ナイロン製である」ですよね。「え!?革製じゃないの!?」と驚愕された方は、他のボクの記事を読んでくださっている方ですね。革という素材に強いこだわりを持つボクが、革を諦め、ナイロンを素材としてチョイスしました。ここがボクの今回最大の成長ポイントです。(知るか)
カバンというものは、財布や名刺入れなどの小物に比べ、当たり前ですがサイズが大きいビジネスアイテムです。革は丈夫である反面、重い素材であるため、革製のカバンは自然と重くなりがちです。出張時、長時間に渡って手に持って運搬するカバンは、疲労軽減の観点から軽いに越したことはありません。
次に、カバンはそのサイズゆえに、外に露出していることが多いビジネスアイテムです。畢竟、雨天時に濡れる可能性が高い携帯アイテムの代表格と言えるでしょう。
日本は雨の多い国です。本革の、中でもタンニンでなめされた革で作られた製品の欠点は、水に弱いという点です。革に水滴が付き、拭き取らずに放置しておくと、「ブク」と呼ばれる水膨れのような痕が残ることがあります。そのような痕ができると、完全な修復は不可能になります。そこまでいかなくても、シミになることが多々あります。耐久性や見た目の点で問題となります。
以上のとおり、財布などの小物に比べ、カバンについては、素材が革であることのデメリットが目立つことになります。これは、出張時のオーバーナイトバッグ等に限らず、通勤用のビジネスバッグ全般にも言えることでしょう。
ちなみに、話は逸れますが、このデメリットを考慮に入れても、いつかボクが絶対に手に入れたいビジネスバッグはあります。それは、GANZOのBRIDLE (ブライドル)ブリーフケース、あるいはBRIDLE (ブライドル)トートバッグです。
理由は、ボクの大好きなJ&E セジュイック社製ブライドルレザーで作られた、丈夫で自立する、とにかくかっこいいカバンだから。雨天とか重さとか関係ねぇ。っつーか雨天なら別のカバン使う。それぐらい魅力的で欲しいアイテムですが、ブリーフケースもトートバッグも現時点で150,000円以上します。畜生!ボクが出世したら買ってやるからな!!
話を戻します。ということで、カバンの素材に革を選ぶとなると、重さや雨に対する弱さ、さらに価格的にも高額になりがちというマイナスポイントがあります。モノによってはそのマイナスポイントを打ち消すほど魅力ある革製カバンがありますが、使用頻度等を考慮し、ボクは出張用カバンの素材として、革を諦めたということですね。
そこで、カバンの素材で革を諦めるとしたときに、選択肢の筆頭がナイロンです。キャンバスとかコットンとか他にも素材はありますが、本記事の趣旨から、ここではナイロン一択です。ちなみに経年劣化が顕著な合皮は論外です。
合成繊維であるナイロンの主な特徴は4つ。耐久性が高く、熱に弱く、弾力があり、吸湿性が低い、というものです。
革に比べたナイロンのプラスポイントは、「水に強い」、「軽い」、「リーズナブル」という点で、マイナスポイントは、「素材の強度が革より劣る」「経年変化が楽しめない」「見た目が安っぽくなる」といったところですかね。
で、どうせ素材をナイロンにするなら、革に比べたデメリットを少しでも解消するため、より強度の高いもの、普通じゃないナイロン製のものを選びたい、と考えまして、インターネットでいろいろと執拗に調べた結果、見つかりました。世界最強クラスの強度を誇る、「バリスターナイロン」という素晴らしい素材が。

上図は、今回ご紹介するバリスターナイロンと、一般的なナイロン生地とされる420ナイロンオックスのスペック比較表です。
細かい説明は面倒なので省略いたしますが、表を見ていただくとわかるように、まぁ要するに、バリスターナイロンはすげぇ強いってことです。一般的には、糸や繊維の太さを示すデニール数の比較から、バリスターナイロンは普通のナイロン生地の6倍の強度を有するとされています。
同種のナイロン生地として、アメリカの化学会社デュポン社が開発したバリスティックナイロンがありますが、デニール数は通常1050Dと言われています。アメリカのビジネスバッグブランドとして超有名なTUMI(トゥミ)は、独自の加工を施してさらに耐久性を高めたFXTバリスティックナイロンをカバン素材に使用しています。
防弾チョッキやエアバッグの素材にも使われるという強度と防水性に加え、耐熱性も非常に高いとされるバリスティックナイロンの、さらに倍以上の繊維の太さを誇るのが、国産のバリスターナイロン。強いてデメリットを挙げるなら、普通のナイロンより少し重くなるぐらいで、それ以外は最強感の漂い方が尋常ではありません。
なお、上記アメリカのデュポン社傘下のインビスタ社が製造するコーデュラナイロンも高耐久度で有名なようですが、ボクのリサーチによると少なくとも耐久性・強度の面ではバリスターナイロンには及ばない水準でした。
ナイロン最強対決談義はこの辺にしておいて、このバリスターナイロンを素材として使用している信頼性の高いカバンのジャパンブランドは、現在非常に限られていることがわかりました。ボクが行き着いたのは、吉田カバンとWONDER BAGGAGE(ワンダーバゲージ)の2ブランドです。
吉田カバンは説明不要ですね。国内外に多くのファンを有する日本の素晴らしいカバンメーカーであり、自社ブランドのPORTER(ポーター)はあまりにも有名です。ナイロン製のビジネスアイテムといえば、吉田カバンです。価格も常識的なので、もう何も考えずにポーターのラインナップからチョイスしたくなります。
一方、ワンダーバゲージですが、すみません。正直申し上げまして、ボクは知りませんでした。2012年に大坂で誕生したブランドということで、1935年創業の吉田カバンに比較すると、非常に歴史が浅いカバンブランドと言えます。サイトに掲載されているコンセプトは、
クラシカルな物が持つ普遍性と現代のファンクションとの融合をテーマとして展開する日本製バッグブランド。「機能と用途と素材」をフラットに捉え、現代の生活にふさわしい姿へと形づくる。
WONDER BAGGAGEウェブサイト
というもの。フムフム・・・良いじゃないか。ボクのニーズにマッチしそうな雰囲気を醸し出しています。
展開しているシリーズは、スタンダードラインの「グッドマンズ」と、機能性を重視した「アクティベート」、そしてカジュアルラインの「サニー」の大きく3つ。ブランドが若い分、種類も多過ぎず、それぞれの製品に明確なコンセプトが見えて非常に馴染みやすいラインナップになっています。
特に、「グッドマンズ」シリーズは、バリスターナイロンをカバンのメイン素材として、ハンドル部や周辺素材に天然のヌメ革を使用しているハイブリッドなシリーズ。経年変化するヌメ革が一部に使用されているのはホントに高ポイントです。
グッドマンズシリーズのカラーパターンは基本的に3つ。「ナイロン部分:革部分」の組み合わせで、①ネイビー:ナチュラル、②ネイビー:チョコ、③ブラック:ブラックの3パターンとなっています。
中でも、シックなダークネイビーのボディにナチュラルなヌメ革という2トーンのパターンが、ワンダーバゲージのカバンの王道スタイルのようで、ビジネスシーンにおいて硬過ぎず緩過ぎず、非常にスタイリッシュなデザインとなっています。
価格帯は、メイドインジャパンの割には、1万円~3万円台の比較的手頃な範囲に収まっています。歴史の浅いブランドということもあり、ハイブランドのような知名度の高さからくるやたらと強気な料金設定になっていないところにも好感が持てます。
もう、「ボクのために作ってくれたんですか?」と聞きたくなるようなドストライクな製品を展開してくれているワンダーバゲージ。もっと早く出会いたかったな。
ということで、ポーターの製品にも魅力は感じますが、知名度が高過ぎてインパクトが少し弱いのと、バリスターナイロンが使用されている製品はヒートシリーズなど非常に限定的なのと、何より、ワンダーバゲージの製品が今回のボクのニーズのど真ん中であったため、泊付き出張用カバンは、ワンダーバゲージからチョイスすることに。
水に強く、耐久性が高く、経年変化も楽しめるスタイリッシュでお手頃感のある日本製のカバン。ここにきて、素晴らしいビジネスアイテムブランドを見つけてしまいました。みんな、知ってた?
さぁ、ではボクが、ワンダーバゲージのラインナップから、泊付き出張用カバンとして最終的に購入したのは・・・続きは次回の記事で!







コメント